Saturday, May 30, 2009

5月30日(土)

【5月30日(土)】
・LS小論文講座 ケーススタディ編 第14回
・辰巳 全国適性模試 (DNC版)
・LEC 全国適性模試オープン (JLF版)

今日は、模試が2連チャンでした。模試を受けて気づいた(というか前から分かっていた)のは、DNCの第1部とJLFの第2部(いずれも数理パズル・数的推理系)が、極度に弱いということです。

先日、前回の模試の結果が、辰巳から返ってきたのですが、DNC第2部の偏差値が40台・・・orz 確かに、あのときは時間配分を失敗しましたが、それにしてもひどい・・・。

一方、同じ模試で第3部の長文読解は、偏差値が60台・・・。この落差は何なんでしょうか・・・。同じ頭で解いているはずなのですが・・・。こんなところで、コテコテ文系の自分を思い出してしまいました。

文系と理系の違いって何なんだろう・・・ということに思いをはせつつ、まずは、数理パズル系(DNC1部、JLF2部)の問題を解きまくるしかないだろうと思っています。

今日の読書9 日本人の法意識 川島武宜

「日本人の法意識」 川島武宜

1967年に書かれた本ですが、今でも、法学を学ぶ者にとっては必読の本だそうです。。

団塊ジュニアよりちょっと下の世代にあたる私にとって、権利意識・近代的法意識というのは、ごく当たり前のものだと思っていました。しかし、本書において戦前からの法意識というものを、改めて示されることで、西洋的近代的な法の見方とは異なる日本人独特の法に対する捕え方について、改めて考えさせられました。

「訴えてやる~」というフレーズが一時流行りましたが(ダチョウ倶楽部でしたっけ??)、日本の場合、後のつきあいを考えて、裁判にはしないということは結構あるように思います。自分の権利を主張するということが、日本では、当然のことというようには認識されておらず、むしろ角が立つというように受け止められているということですね。

戦後に民法は書き換えられ、それは西洋的近代的な思想の影響を受けているわけですが、法律そのものの思想と、一般の市民の認識との間にギャップがあるというのは非常に興味深いことだと思います。学生時代に、「生ける法」という法哲学の概念について先生から習ったことがあるのですが、それも、法律の制定者や起草者が意図したところと、それが市井でどう受け止められ、どう使われるか、というところは、同一ではない(法律は生きていて同じ言葉でも中身が変わっていく)というような話で(完全にうろ覚えで正確ではありませんが・・)、なかなかこういったところを考えるのは非常に面白いなと思いました。


ちなみに、本書を読んでいて特に面白かったのは、所有権に対する法意識のところです。おそらく私世代の人で、民法をかじったことのある人であれば、自分の手元になくても、自分の所有権がある物に対しては、あくまで自分の物で、他人のものではない、というのは当然のように思えると思うのですが、戦中以前にはそうではなかったそうです。

本書であげられた事例なのですが、都会に住む人が、戦争中、荷物を疎開のために田舎の親戚に預けておいたところ、戦争が終わったので、それを返してもらいに行ったら、その親戚に、何で返さないといけないのか?というような顔をされたそうです。つまり、当時の感覚では、自分の手元にある物が自分の物で、手元を離れたら、もうその人の物ではない、ということがあったそうなのです。

現在の所有権概念というのは、それが当然のもののように思っていたのですが、あくまで一つの考え方にすぎないということに気づきました。そのように考えていくと、これまで自分が当たり前だと思っていた法律の規定についても、いろいろ考えてみる余地が(かなり)ありそうですね。


(追記)
この後、年配の方(戦争中を知る方)に上記の疎開時の荷物の話を聞いてみたのですが、「人の物は人の物。戦争中だからって、人の物を預かって、自分の物にするだなんてなかった。それは単なるやりとりの行き違いでは?」と言われました・・。これだけの大著が間違っているとは思えないので、私の読み間違いか、人や地域によって考え方がまちまちだったか・・・・。再度、読み直してみたいと思います・・・(あてにならずすみません・・・)

今日の読書8 阿部謹也自伝 阿部謹也

阿部謹也自伝 (amazon.co.jp)

本来、自伝より、「「世間」とは何か」などを先に読んだ方がいいのかもしれませんが、偶然、手にすることができたので、まずは自伝から読んでみました。

内容は、幼少期から一橋大学で中世史を専攻するに至るまでの場面にはじまり、ドイツでの研究時代、学長になってからの文部省とのやりとり、といった流れになっています。

最後の一橋大学長になってからの文部省とのやりとりについては、交渉の様子が詳細に書かれていて、結構マニアックなので、後から考えればとばして読んでも良かったかもしれません。(阿部先生自身、ここの記述に興味のある人は限られるだろうというようなことをおっしゃっています・・・)

ただ、その学長になってからの部分を除いては、阿部先生が世間論を編み出すまでのパーソナルな系譜や、高村光太郎や金子光晴などの詩を取り上げ、人の内面というところから、歴史を見ようとした独特の歴史観など、非常に興味深く読むことができました。

高校生のときに、カトリックの修道院で暮らし、西洋の価値観に触れた経験、そして、その後、ドイツに渡り、ドイツの文書館で、ひたすら文献と向き合うとともに、小さな町の人々との交流を深めた経験。そして、そのような中で感じた、日本と西洋との違い。西洋の個人主義や市民社会と、日本の「世間」の違い。

私はドイツに暮らしたこともなく、ヨーロッパについて詳しいことは何もありませんが、阿部先生が感じた日本と西洋の違い。その皮膚感覚的なものは、何か分かるような気がします。本書の最後の部分で、阿部先生は金子光晴の長い詩を引用し、日本にある寂しさについて語られていますが、この寂しさは、戦後から何十年経った今でも消えていない、その指摘にも、うなずかざるを得ないのでした・・・

バッファロー行き 4

バッファローのホテルは、予約できたと思っていたら、結局、取れていませんでした・・・ orz

インターネットの予約サイトで、クレジットカード番号まで打ち込んで申込みをしたので、てっきり予約できているのかと思いきや、翌日に「予約できませんでした」というメールが届きました・・・。

そういう仕組みなんですか・・・・orz

という訳で探し直しですが、とにかく鍵がかかって眠れるところが取れれば・・・と思ったりしています(笑

Tuesday, May 26, 2009

バッファロー行き 3

例のバッファロー行き、いろいろ悩み?ましたが、決めました。

航空券とホテルもおさえました。
BOLEにも返事をしました。

どんな町なのかちょっと楽しみです。

バッファローの帰りには、サンフランシスコの近くにいるacoさんのところにも寄れたらと思っています。

あとはうまく休みが取れるよう神頼みですね。。笑

5月24日(日)

【5月24日(日)】
・辰巳 LS小論文講座 ケーススタディ編 第13回
・辰巳 全国適性模試 第2回(JLF版)
・立命館LS 入試説明会 (新司の試験問題の解説もあり)
・辰巳 LS小論文講座 ケーススタディ編 第20回

この日の適性模試は、久々のJLF版でした。全然時間が足りません!! 特に第2部が顕著で、大問4問のうち、2問は手をつけられませんでした。まずは大問1に手をつけ、ついつい問題に入り込んで解いていたら、気づくと既に20分経過・・・A^^;;; 第2部の試験時間は40分しかありませんが何か・・・orz

すっかりDNC版のペースで解いていたのですが、JLF版では全く間に合いません。第1部・第3部も同様で、長文読解などは、一行一行かみしめるように読んでいたのでは最後まで終わりません。JLF版は時間との勝負ということを肝に銘じておきたいと思います。

模試の終了後は、HISに立ち寄ったほか、立命館大LSの入試説明会にも出てきました。刑法の松宮教授がわざわざ東京にまで出て来られて説明されておられましたが、どの大学もいい生徒を獲得するためにいろいろと大変ですね。松宮教授による先日の新司の問題解説もあったので、お得感もあって良かったです♪

夜の小論文講座はケーススタディ編の最終回で、答練でした。説明会があったので、遅れて答案を書き始めたのですが、それにしても、あまりいい答案を書けませんでした。答練前の講義を受けてないし・・・と自分に言い訳をしていたのですが、基礎テーマ編から受講していることを考えれば、もう少し書けても良かったのではと思います。インプットに熱心になるあまり、肝心のアウトプットがおろそかではどうしようもないので、インプットしたことを自分なりに消化して、言葉にできるように普段から気をつけていきたいと思います。

Saturday, May 23, 2009

バッファロー行き 2

バッファローへは、日本からの直行便はないそうです。(by HIS)

なので、どこかでトランジットが必要。その分、NYC直行より時間がかかります。

トランジットのリスクについては、HISによれば、乗継空港で2・3時間は取るようにしているので、まず大丈夫だろうとのこと。(その分時間をくうとも言えますが・・・)

まだ決めたわけではないのですが、今の気持ち的には、バッファロー行きに傾いています。バッファロー空港から試験場までは、車で15分ほどとそう遠くはないらしく、また、街の大きさもコンパクトにまとまっているので、NYCのときよりむしろ楽かなと思っています。あとは、インターネット環境がしっかりしたホテルさえ確保できるなら(前回のバーでは、答案のアップロードがうまくいかず苦労したので・・)、バッファローでもいいかなと思ったりしています。

あとは、ナイアガラの滝も見れますし・・・(爆)
(バッファローから近いようですね)

とはいえ、近くのホテルは既に埋まっている可能性もある(むしろ高い?)ので、再度調べてみようと思います。

5月23日(土)

【5月23日(土)】
・辰巳 LS小論文講座・ケーススタディ編 第11回
・LEC 全国模試ファイナル DNC版 第2回

上記とは直接関係ありませんが、今日は、先週の模試の結果が返ってきました。

まず、LECの方は問題が辰巳より少し易しめ・・と思っていたとおり、点数の割に偏差値はさほど高くはありませんでした。また、大学別に志望者の点数分布も出るのですが、東大のLSはさすがというか、他校と比べて志望者の点数が全体的にかなり高めでした。模試でいい点数が出なければ、本番でいきなり出るということはありえないと思っているので、これからもっと解けない問題を潰して、点数を出せるようにしていかないといけないと思っています。

辰巳の方は、難しいなりに解いたと思っていたのですが、偏差値が思ったほど伸びず、自分としてはかなり不満な結果となりました。先週の模試はプレ模試ということだったので、受験者の中に2度目の受験者がいたということであれば、まだありえる偏差値なのですが、もしそうでないなら、かなり危機感をもたないといけないと感じています。

今日の模試は、時間配分をあまり上手くできなかったのが反省点です。前半に時間をかけすぎて、後半の難易度がさほど高くない問題の取りこぼしをしないよう、気をつけたいと思います。

Friday, May 22, 2009

ばばばば、バッファロー

適性試験の準備と並行して、細々とNY Barの準備(ノート読み&CD聴き)をしていたのですが、適性の方があと1ヶ月に迫っていることもあり、どちらかというとそちらに気が回っていました。

そして、今日、ニューヨーク州の司法試験委員会(通称BOLE:The New York State Board of Law Examiners)からメールが来ていたので早速開いてみると・・・

試験地を選択して知らせるように、との内容で、よく見ると(よく見なくても)、選択肢が「バッファロー」しかありません・・・orz

(バッファロー会場はこちら)
Buffalo-Niagara Convention Center
http://maps.google.com/maps?hl=en&safe=off&q=Buffalo-Niagara+Convention+Center&ie=UTF8&view=map&ei=NfgVSuuzCYyWuwO8nOXPCw&attrid=

ちなみに、handwritingにすれば、バッファローに加えて、アルバニーが選択肢に加わります・・・orz(どっちもどっち・・・)

前回、ラップトップ受験で、会場はマンハッタンだったので、今回も同じだろう、と思いこんでしまっていました。

ただ、いろいろ調べてみると、バッファローに行くのも悪くはないなあと思ったりしています。ニューヨークは都会すぎて落ち着かないし、バッファローの近くには国際空港もあるので、そんなにアクセスも悪くはないのかな・・と。ただ、やっぱり飛行機の本数が多くて、少しでも土地勘のあるマンハッタンの方が安心感はありますが・・・。それに、いくらネットで調べてみても、NYバーをバッファローで受験したという人の話を聞かないのも不安です・・・(英語でも調べてみましたが、ひたすらバッファロー大学関係のサイトしか見つからず・・)

まず、今後の対応としては、1)BOLEに連絡して、NYCへの変更の余地がないか聞いてみる、2)旅行代理店でバッファローへのアクセスについて聞いてみる、3)この数日中にはホテルを予約する、かなと思っています。

(ただ、今のインフル騒ぎが収まるか、というのが一番心配だったりするのですが・・・A^^;)

Sunday, May 17, 2009

5月17日(日)

【5月17日(日)】
・辰巳@自習室
・辰巳・プレ全国適性模試
・LS小論文講座・第18回

 今日の午前は、NHKのドキュメンタリーを見ていました。大分キャノンの近くで雑貨屋を営むおばちゃんと、非正規雇用で働く若者との交流を描いた内容です。突然の解雇で路頭に迷う若者の様子や、退職見舞金を支払うと言っておきながら結局支払わなかった企業のやり方など、現実の厳しさをひしひしと感じさせられました。
 今回のテレビ番組を見て、雇用の問題にも強く興味をひかれたのですが、いかんせん、知識が不足しているので、まずは以下の3点について調べてみたいと思っています。第一に、労働法の観点からは、現在話題となっている労働者派遣法改正の問題について。第二に、生活保護と働くインセンティブとの関係について。第三には、非正規雇用を今後どうするのかについて経済学的な観点から、雇用の流動性の適正水準についてなど。

 辰巳の自習室では、昨日同様、適性講座の復習、適性模試の復習、Barbri(Intermediate)の問題演習をしました。適性については、当たり前ですが「問題をよく読むこと!ですね。冒頭にある問題文の条件を読み落としていたがために誤答となった問題がいくつかあったので、今後よく気をつけたいと思います。
 また、Barbriの問題集を分解して、今日はReal propertyの問題だけ解いていたのですが・・・すごいボロボロです・・・。今日は、equitable servitude / a hold-over tenant / an equitable mortgage / equity of redemption rights / fixture (←意味なく虹色・・・)が出てきたのですが、かなり忘れています・・・(汗)まずはインプットのし直しをしなければと思っています。

 今日は、辰巳のプレ全国模試を受けてきました。「プレ」とつくのは、同じ問題をどこかで以前に使ったかららしいです(ただ、私はこの問題は初めてでしたが)。今日の感触は・・というと、やっぱり難しかったです・・・LECの昨日の問題に比べて、明らかに難しいのが分かりました(特に第1部)。2部の方は、時間までに小問2問が終わりませんでしたが、それ以外は全部目を通せたのに対し、1部は、そもそも解けない問題がいくつかあって、飛ばし飛ばしに進めたのですが、最後までに解けない大問を2,3残す形になってしまいました。 とにかく今後は1部対策が課題です。
 ところで、近くのW大とみられる学生さんが話していたところによると(立ち聞きしてスミマセン・・・)、適性試験対策としては、昨日のブログで触れたハイスコアのテキストと、「電話帳」と呼ばれるテキストをこなすのが常道だと言われているようです。ただ、電話帳というのは何かわからなかったのですが・・・。ハイスコアの過去問集がやや分厚いのでそれのことかなと推測しています。

 このところ睡眠時間が少なかったので、へろへろになりながらも、夜は小論文の講座を受けてきました。ケーススタディ編も早いものでもう18回です(平日の分で聞いていないものがまだ5回分くらいありますが。。)。大事なのはとにかく復習だと思うので、テキストの読み込みなどもやっていけたらと思っています。また、こないだ図書館で借りられなかった「政治学」のテキスト(久米、古城他)で(買ってもいいのですが、1年内の引越を考えているので重たい本を増やさないようにしているのです。。。)、早く全体の俯瞰図をイメージできるようにならないとと思っています。

Saturday, May 16, 2009

5月16日(土)

【5月16日(土)】
・ヨガ@ジム
・辰巳の自習室へ
・LEC全国適性模試ファイナル

 今日は久々にジムに行ってきました。ヨガはやっぱりいいですね!精神を集中&リラックスして、体のいろんな部分をほぐしていくので、体にも心にもとてもいいと思います。今日ははじめて、片腕で体を支えるポーズがあったのですが、腕に力がないのか、体が重いのか><、腕がぷるぷるしてすぐに倒れこんでしまいました。これからは、二の腕をもう少し鍛えたいと思っています。

 辰巳の自習室では、1)これまでの適性講座の復習、2)これまでの辰巳の適性オープン(模試)の復習、3)赤本(Real Property)、4)適性問題集、を回しました。4)は、今日、新たに「ロースクール適性試験ハイスコア基本問題集(推論・分析・判断)」を始めました。この手の本は、実際の過去問と内容がかけ離れていたりすることがありますが、今回の本については、内容的に割と沿っていて、使えそうだと思っています。

 夜からは、LECの適性模試を受けに行ってきました。LECの全国適性模試ファイナルは、DNC版(3回)、JLF版(1回)の計4回となっています(今日は第1回目でDNC版)。これまでずっと辰巳だけだったので、万が一、問題の傾向に何か偏りがあるといけないと思い、バランスをとるためにLECも模試だけ受けてみることにしました。LECには公務員講座があるので、LSの適性にそのノウハウが生かされていることを期待もしたりして。。

 ただ今日、初めて模試を受けてみた感触では、そんなに辰巳と変わらないかなー?という印象です。少し、全体的に辰巳より易しい気はしましたが、LECは今回が第1回目だからということがあるかもしれません。

 特に易しく感じたのは第2部で、普通に頭から解いて、なんと時間内に終わりました。辰巳ではいつも時間が足りないのでちょっと驚きました。また自己採点結果もかなり良かったです。ただ、そういう場合は、平均点も高いというのが大抵ですが・・・A^^;
 
 一方、第1部は、やはり時間が足りませんでした。例の論理問題もうまく解けず・・・(今日の問題は、なんと、論理式でも、表でも上手く解けませんでした>< マトリックス表ではなく、すべてのパターンを書き出すという方法が解答集には示されていました)。この1ヶ月で、この第1部をどこまで伸ばせるかが、重要だと思っています。上記の問題集が、うまく第1部に対応しているので、問題集の方もどんどんこなしていこうと思います。

Friday, May 15, 2009

あと1ヶ月

JLF版のテストまであと1ヶ月です。
泣いても笑っても次は無いと思って、
とにかく気持ちを強く持つしかないですね!^^

Thursday, May 14, 2009

今日の読書7 脳死・臓器移植の本当の話 小松美彦

小松美彦「脳死・臓器移植の本当の話」(PHP新書)

現在、臓器移植法改正案についての議論がなされていることもあり、脳死という定義そのものに疑義を呈し、脳死者からの臓器摘出に警鐘を鳴らす小松氏の主張は大変興味深く読むことができました。

この小松氏は文章も上手く、事前に聞いていたとおり、大変説得力のある内容となっています。小松氏の主張にのっとると、脳死体からの臓器摘出そのものが難しいという帰結になるかと思いますが、私も自分自身はともかく、自分の家族が脳死のためにドナー候補となった場合、臓器摘出にYesとは言えないな・・・と感じました。

無論、臓器のレシピエント側から見た場合には、とりわけ臓器移植しか助かる道がない場合には、現状は改善されるべきだと映るでしょうし、そうした感情になることは否定できないと思います。ただ、テレビなどでしばしば取り上げられるレシピエント側からみた臓器移植の話と、ドナーやその家族の側からみた臓器摘出の問題というところには、すんなりとはいかない壁があるように見えます。

脳死の状態というのは、心臓も動いていて、また、ラズロ反射といって、体を動かすこともあるそうです(なので、臓器摘出のためにメスを入れた際に、ドナーが暴れ出すことがあるそうです・・・)。こうした状態を、ドナーの家族は「死」として受け入れられるのか。そして、ドナーの体から臓器を摘出することにYesと言えるのか。

現在、国会に提出されている臓器移植法改正案のうち河野案(いわゆるA案)によると、ドナーの臓器提供の意思が分からない場合には、家族の意思のみによって臓器摘出を行うかどうかが決定されることになります。しかし、ただでさえ身内が脳死となったという異常な心理状態の中で、さらに臓器摘出するかの決断を迫られるというのはあまりに酷ではないかという気がします。

また、そもそも、本人が自分の体から臓器摘出されることに対してどう思っているか分からない状況で、本人以外の家族の判断だけで、摘出を認めてしまうことができるのか?個人の自己決定が侵害されないか?

この他にも問題は山積していて、小松氏はそれらを一つ一つ明らかにしています。これらの問題を考えるにつけ、今国会に提出されている臓器移植法改正案については、もっと慎重に審議をして、国民のコンセンサスが得られる最善の案を得るべきではないのかという気がします。

私は小松氏の脳死や脳死体からの臓器摘出に対する疑念というのは、著書を読んで、よく理解できたのですが、ただ、その一方で、新しく出て来た問題として、WHOが海外渡航による臓器移植を認めないという方針を打ち出したことへの対応については、さらに考えを深める必要があるかと思います。

とりわけ、現行の臓器移植法では、15歳未満の子供からの臓器摘出が認められていないため、子供の移植をどうするかというのは大問題です(大人の臓器では大きすぎるそうです)。かといって、15歳未満の子供からの臓器摘出を増やせばいい、という単純な問題ではないので、もし仮に15歳未満からの子供の臓器摘出を認めるとしたら、どのような理由・根拠で認められるのか、取り返しのつかない問題が起きはしないか、深く突き詰める必要があります。

臓器移植に替わる医療技術が発展する、もしくは、万能細胞の技術が発展して臓器が作れるようになれば・・・と願わざるを得ないのですが、当面はなかなか難しいようです。決して他人事ではない問題なので、自分なりにこうした問題についてもよく考えを深めてみたいと思っています。

Wednesday, May 13, 2009

論理の問題

適性試験の中に出てくる、<論理の問題>がどうも苦手です。
なんだか性格を表わしているような気もしないではないですが・・・(汗

論理の問題とは、例えば、

(ア)うどんとそばの両方とも好きな人は、スパゲティが好きではない
(イ)うどんかラーメンのいずれかを好きな人は、そばも焼きそばも両方好きである
(ウ)焼きそばか冷麺が好きな人は、スパゲティも好き

という3つの命題があった場合、
「冷麺が好きな人は、うどんが好きではないか、そばが好きではないかのいずれかである」
ということが正しく導けるか?といった感じの問題です。(ちなみに、この場合は正しいです)

なぜ、この手の問題がうまく解けないのか、反省してみるに、論理の問題を、全て論理式だけで解こうとしてしまう、ところに問題があるようです。

例えば、先の例のような単純な問題であれば、論理式で、
(ア)うどん∩そば→notスパゲティ
(ウ)焼きそば∪冷麺→スパゲティ

と表わすことができ、さらに、(ア)についてはその対偶から
(アの対偶)スパゲティ→notうどん∪notそば
を導くことができます。
そして、(ウ)と(アの対偶)をつなぐことによって
焼きそば∪冷麺→スパゲティ→notうどん∪notそば
とすることができ、最終的に
焼きそば∪冷麺→notうどん∪notそば
として解くことができます。

しかし、これが複雑になってくると、なかなか論理式で解けない場合が出てきます。
そこでいつまでもこだわって論理式で解こうとしてもなかなか上手くいきません。

そしてこういう場合に大事なのは、論理の問題を全て論理式だけで解こうと思わないこと、です。

ベン図を書くのも有効ですが、論理式が既に使えないような場合には、表を書くことが一番有効だという気がしています。表を書くのには時間がかかりますが、すっきり解ける場合が多いので、まず論理式でやってみて、すんなりいかなそうだったら、即、表を書く方法に切り替えようと思っています。

Monday, May 11, 2009

ステートメント対策

パーソナルステートメントを作らなければ・・・と思い、希望しているあるLSのサイトを見てみました。今年度試験の要綱はまだ公開されていなかったので、前年度のものを見てみたのですが、何と、パーソナルステートメントに該当する箇所は、わずか300字でした。原稿用紙1枚にもなりません。

300字では、何というか・・・、考え抜いて、核となる部分を書いたら、あっという間に埋まってしまいますね。。。

ただ、今年度がどうなるかはまだ分からないので、要綱が出たら早速確認してみようと思っています。

新司法試験

久しぶりに、新司法試験を受験中の友人から連絡をもらい、いろいろ話をしました。
(5月に短答試験があるのでしばらくこちらからの連絡は控えていました。)

新司の勉強に比べれば、LS入試はまだまだ楽な部類ですね・・・
話を聞いていてそう思いました。

また、既習者の合格率が高いという話を聞いて、本当は既習で受験した方が良かったかな、と思いましたが、私の場合、NY BARも受験したいので、やはり未修(そもそも第一志望は、未修のみ)で受験しようと思っています。ただ、BARが終わったら、即、日本法の方の勉強を始めないといけないと思いました。

最終合格のためには、とにかく強い意志を持つことが大事、ということで話は落ち着き、それぞれの目標に向けてまた頑張ろうということになりました。同じ目標を持つ同世代の仲間がいるというのはありがたいことですね。^^

Saturday, May 9, 2009

5月9日(土)

【5月9日(土)】
AM LS小論文講座・ケーススタディ編 通算第11回

今日の講義では、阿部謹也の話が一番印象的でした。

阿部先生の子供時代からのバックグラウンドを重ね合わせて、阿部先生の文章を読んだとき、非常に共感するところが多いというか、率直に本当にものすごい人だなと感じました。 (ちなみに今日は、「学問と「世間」」(2001 岩波新書)の一部抜粋を読みました。)

すっかりファンになってしまったので(笑)、これからもっといろんな阿部謹也本を読んでいきたいなと思っています。

(メモ)阿部謹也
1935年生まれ。歴史学者(ヨーロッパ中世史)。元一橋大学長。民衆史を確立した。
「ハーメルンの笛吹き男」(1974)、「中世を旅する人々」(1978)、「「世間」とは何か」(1995)、「「世間」論序説」(1999)、「学問と「世間」」(2001)、「世間学への招待」(2002)など著作多数。2006年没。

一橋大学附属図書館のサイトにて、阿部謹也の著作概観が掲載されています。引用が多数されており、読書の際の良いガイドになりそうです。
http://www.lib.hit-u.ac.jp/service/tenji/abe/memorial.html


午後は、ちょっと約束があったのでおでかけしてきました。内容的には完全に娯楽系(競馬)だったのですが、いろいろ考えさせられることがあり、今まで霧に隠れていた考えが少しはっきりするきっかけをもらったような気がしています。

Why lawyer? Why law school?

ロースクール出願には、「パーソナルステートメント」という書類を提出することになっています。これは一般に、志望動機や自己PRを書くもので、欧米のロースクール出願ではおなじみの書類となっています。

私立LSの出願は、7月から始まるので、そろそろ第一稿を書いてみる必要があるのですが、なかなか書き出せず・・・。それは、なぜ法曹なのか? なぜ法曹でないといけないのか? という問いに対して、まだ十分に答えがまとまっていない、まだ考えが深まっていないということに他なりません。

ぱっと思いつくのは、テレビのドキュメンタリーで見た医師が、「自分がこのしんどい仕事を続けているのは、やっぱり患者さんや家族の笑顔を見たいから」と言っていたのと同様、誰かの力になりたいということがあります。

ただ、医師と弁護士はやはり異なる職業ですし、弁護士は常にクライアントの笑顔につながる場面に接するとは限りません。また、弁護士と一言にいっても、ビジネスローヤー、家事、刑事、民事、行政、環境・・・さまざまなタイプの弁護士がいます。自分はなぜ、どういうローヤーになりたいのか?

直感的に自分にはこの仕事が向いていると強く感じる一方で、それを言葉にしようとするとうまくまとまって出てこない。言葉にならない考えは、考えでないに等しい・・・

この数ヶ月、そんなことを考えていたのですが、今日、その答えがはっきり分かりました。ただ、まだもう少し考えを深めていく必要があると思うので、ひとまず今は心の中にしまっておきますが、その答えは、やはり自分の人生観と切り離せないもので、案外シンプルすぎて盲点となっていた答えだと思います。

一人よがりになってはいけないので、これからステートメントの講座などを通じて、たくさんのステートメントを読んできている先生などから、意見をもらえたらと思っています。また、読書などを通じて、もっと考えを深める必要もあると思っています。

新司法試験の三振制について

(以下は本人のメモ用のため、実際に関心のある方は、必ずご自分でご確認下さい。また間違い等がありましたら、ご指摘いただけますと大変助かります。)

LSに行く以前の問題として、新司法試験(新司)の三振制のことが気になっていました。このいわゆる三振制とは、司法試験受験が長期にわたってしまうことによる弊害を避けるために、受験資格を5年以内3回の受験に制限するというものです。

この三振制については、そうは言ったって、人生何が起こるか分からない、病気になるかもしれないし、いきなりまともに勉強をできるような環境でなくなることは往々にしてあるわけで、そういったところはどうなっているんだろうと思っていました。

法務省の「新司法試験Q&A」というサイトをみると次のような記述があります。

URL: http://www.moj.go.jp/SHIKEN/shinqa01.html#06
-------------------
Q  新司法試験の受験資格はどのようなものですか?
A  新司法試験は,法科大学院課程の修了者及び司法試験予備試験の合格者を対象に行われることになりますが,その受験については,期間及び回数に関する制限があります。法科大学院課程の修了者は,同課程修了の日後の最初の4月1日から5年間の期間(受験期間)において3回の範囲内で受験することができ,司法試験予備試験の合格者については,同試験合格発表の日後の最初の4月1日から5年間の期間(受験期間)において3回の範囲内で受験することができます(新法第4条第1項)。
-------------------

やっぱり、とにかく何があろうと5年間は絶対なのかな・・と思ってみてみると、その次に以下のような記述がありました。

URL: http://www.moj.go.jp/SHIKEN/shinqa01.html#07
-------------------
Q  「5年間に3回」の制限を超えた場合には,受験は認められないのですか?
A  「5年で3回」の受験制限の基礎となった当初の受験資格に基づく受験は認められません(新法第4条第1項)。
 ただし,当初の受験資格に基づく5年の受験期間を経過し,かつ,最後に新司法試験を受けた日後の最初の4月1日から2年を経過した場合には,当初の受験資格とは別の受験資格(法科大学院課程修了あるいは予備試験合格)に基づいて,新たに新司法試験を受験することができます(同条第2項)。この場合も,新たな受験資格について,5年で3回という制限の範囲内であることが必要です(同条第1項)。
-------------------
なるほど、一度LSを修了して最初の4/1から5年を経過した後は、予備試験を受けて合格することで、さらに5年3回という受験資格を得られるということのようです。10年もあればさすがに十分ということなのでしょうか。

実は予備試験はまだ始まっていない試験で、平成23年から実施されることになっています。予備試験があるなら、法科大学院なんてわざわざ高いお金払って行く必要なんかないんでは??という疑問もなしとしないのですが、予備試験でどのような問題が出されるのか等、不透明な部分が多いということはあるようです。

Thursday, May 7, 2009

今日の読書6 憲法入門 樋口陽一

憲法入門 樋口陽一 (リンクはamazon.co.jp)

当初、入門書にもかかわらず難しい・・・A^^;;と感じ、しばらく遠ざかっていましたが、今日、読了しました。

前半、抽象度の高い部分で、すんなり文章が入ってこない(←単なる知識不足)ところもありましたが、後半に進むにつれ、各論の方では、メジャーな論点を挙げた上で、関連する最高裁判例を紹介するという、オーソドックスな形で読みやすかったです。

ただ、一度、憲法を一度ひととおり学習したことがあるという方には、後半ちょっと物足りないかもしれません。というのも、入門書ということで、論点の深追いや、学説の紹介というのはあまりされていないからです。

それを考慮してか、本書の最後の章は、憲法に関連する文献の紹介にまるまるあてられています。短いですが的確な樋口先生のコメント付で紹介がなされているので、文献リストとしてとても役に立つと思います。


(おまけ)ちなみに、上記の「憲法入門」中に、先日の「ラートブルフ」が出てきましたA^^; 例の価値相対主義について、民主主義との関係で、民主主義をも否定する価値観を認めるのが民主主義という話が出てくるのですが、そこで、民主主義では価値の絶対化を認めない、すなわち価値相対主義に立つんだという文脈で登場しました(すいません、本が手元にないのでうろ覚えです・・・)。ラートブルフ、やはり重要人物なんですね・・・(汗

間違いポイント

今日も適性の復習をしました。

今日、間違えたポイントは、問題の読み違い・・・

具体的な例を挙げてみます。

A「文中における筆者の主張として適切なものを、下記のア~オから選択せよ」
B「文中の筆者の主張から示唆されるものとして適切なものを、下記のア~オから選択せよ」

という2つの問いがあったとき、どう考えたらいいでしょうか。

AもBも同じような問いに見えるのですが、Aでは、基本的に、問題の課題文中に答えがあると言っていいでしょう。一方、Bの場合、課題文中にそのままの答えがある可能性はむしろ低いと思われます。つまり、Aの場合は、課題文と選択肢を照らし合わせる作業をすることになりますが、Bの場合は、課題文の主張を踏まえた上で、筆者がさらにどのような主張を展開するかを予測する作業をすることになります。

この区別ができていないと、Bタイプの問題で、えんえん課題文の中に答えを探した挙げ句、選択肢と一致するものがないということになり、それから「あれ??」と気づいて問題を解くということになり、大変時間がかかってしまいます。

Bタイプの問題には、例えば「文中の筆者の主張から帰結されると考えられるものとして適切なものを、下記のア~オから選択せよ」など、様々なバリエーションが考えられます。とにかく問題を注意深く読むことが大切ですね。

Wednesday, May 6, 2009

5月6日(水・祝)

【5月6日(祝)】
・適性スタンダード講座・本編 第15回(最終回)
・LS小論文講座・ケーススタディ編 第9回

適性の講座はこれで最終回でした。おっしゃ、これで何でも来い!と言いたいところですが、不安材料も多く・・・(汗)

特にまずいなと思ったのは、「全称命題」と「存在命題」の問題。これがまだちゃんと解けていないこと。これは、命題が、all, not all, exist, not existの4つを区別して、内容を整理するというものです。ただ、これも、単なるマルバツに、要素が一つ増えただけと考えれば、そんなに恐れることはないかなとも思っていますが。あとは、問題の数をこなすことですね。

もう一つまずいなと思ったのは、問題の読み飛ばしが多いこと。今日の問題の中に、空間把握の問題があり、これまで問題を解いた経験から空間把握だけは割と得意だったのでそのつもりで解いていたのですが、問題を十分に読み込んでいなかったための間違いというのがちょこちょこありました・・・。とにかく、集中力勝負で、集中力をきらさないことが大切ですね。


今日の内容からは話が変わりますが、この連休中には、
・以前受けられなかった適性オープン(第5回)
・適性講座3~5回の見直し
・Criminal lawとEvidenceの赤本、CD聞き
・小松美彦の「脳死・臓器移植の本当の話」第3~5章を読む
ということをやっていました。書き出すと、これだけ?っていう感じですね・・・汗
やっていることに満足しないで、限られた時間をいかに濃縮したものにするかということも考えないといけないと思っています。まずは6月の適性に重点を置いていこうと思っています。

過去問(2) 一橋(未修)

今回は、一橋の過去問から、課題文の出典をみてみます。

具体的にはこちら
http://www.law.hit-u.ac.jp/home/tabid/210/Default.aspx

【平21】
●安富歩『生きるための経済学 ―<選択の自由>からの脱却―』(日本放送出版協会、2008)

【平20】
●大屋雄裕『自由とは何か―監視社会と「個人」の消滅』(筑摩書房、2007年)

【平19】
●山之内靖『マックス・ヴェーバー入門』(岩波書店、1997年)

【平18】
●阿部謹也『西洋中世の愛と人格 ―「世間」論序説―』(1992年)Ⅰ・世間と社会、Ⅱ・個人と人格の成立について

【平17】
●岡本裕一朗『異議あり! 生命・環境倫理学』(ナカニシヤ出版、2002年)

【平16】
●大村敬一「カナダ極北地域における知識をめぐる抗争」(秋道知彌・岸上伸啓編『紛争の海』(人文書院)所収)