とあるLSの過去問(小論文)で出された課題文をさかのぼって挙げてみます。
【平20】
●ラートブルフ著作集 第4巻『実定法と自然法』尾高朝雄他訳(東京大学出版会 1961年)53ー56頁(野田良之・阿南成一訳)
●中村治郞 『裁判の世界を生きて』(判例時報社 1989)435~445頁
(yuinaのコメント)
ラートブルフ・・・名前だけは聞いたことがありますが、何を考えている人かまでは知りませんでした。。ネットで少し見てみたところ、法哲学の分野で、価値相対主義(絶対的な正義は存在しないという考え方)を提唱した人で、法実証主義から自然法主義へ転向した人だそうです。法実証主義、自然法主義は、法学ではよく聞くキーワードなので、もう少しよく調べてみたいと思います。
それから中村治郞さんは、元最高裁判所の判事の方だそうです。最高裁のHPでも上記の文献が紹介されています。(http://www.courts.go.jp/saikosai/about/iinkai/kakyusaibansyo/iinkai_03_sankousiryou_13.html)
【平19】
●森村進『自由はどこまで可能か―リバタリアニズム入門』(講談社現代新書 2001年)90~91頁からの抜粋。(yuina注:ランディ・バーネットの説明を示した箇所)
●ジョゼフ・スティグリッツ(コロンビア大学教授)『温暖化ガス削減 環境税で』(日本経済新聞2006年7月4日朝刊・経済教室)
(yuinaのコメント)
・・・森村先生の新書が過去問になっていたとは知りませんでした・・・。難しくて読めないとか言っている場合ではないですね(汗)読み直したいと思います。また、環境問題に関しては、環境税ということで、環境保護に経済の問題を絡めて聞いているのかなと思います(著作権の関係で記事を見ることができないので詳細は不明ですが)。環境保護は、先日の講座でやったばかりということもあるので、特に狙われそうな経済の視点を含めてもう少し調べてみる必要がありそうです。
【平18】
●タバコの路上喫煙を刑罰の対象とする法律を制定することについて、これを肯定する論拠及び否定する論拠をそれぞれ挙げたうえで、これについてあなたの見解を述べてください。
●坪井明典「報道の自由と名誉保護との調和」(『自由と正義』2005年9月号)
(yuinaのコメント)
前者の方は、課題文のない、いわゆる一行問題です。最近のLS小論文の傾向を見ていると、こうした一行問題はもうあまり出ないのかなと思っています。
もう一つの坪井氏の文章の方は、作者の方の承諾がとれたということで課題文も掲載されています。名誉毀損裁判に関する問題が取り上げられています。
【平17】
●朝日新聞夕刊2004年11月18日「結婚しないパートナー関係 破棄の責任問えぬ 最高裁慰謝料請求認めず」
●ゲーテ『ファウスト』1968~1980行(高橋義孝訳)
(yuinaのコメント)
最初の新聞記事は、婚姻関係になく、内縁関係でもない、子供はいるけれど別々に暮らす「パートナーシップ関係」にある男女について、その一方が当該関係を破棄した場合の慰謝料請求が否定されたという記事です。家族の在り方について、法律はどう向かい合うべきなのか、というのはなかなか難しい問題です。
もう一方のファウストについては、法律学に関して、登場人物のメフィストーフェレスが話しをしている場面のようです。
上記こうして見てみると
(平20)①正義とは何か、②裁判(無罪推定に関して?)
(平19)①リバタリアニズム、②環境・経済
(平18)①国家の役割、パターナリズム等、②名誉毀損裁判(名誉保護)
(平17)①現代の家族観と法律、②法律学とは
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