小論文対策としては、時事問題を勉強していれば足りるのかと思っていたのですが、どうやら大きな間違いだったようです。。。A^^;
未修コースと言えども、受験するのはロースクール。さすがに未修コースの入試で法律の問題は出ませんが、法律学の大きな基盤となる政治学、(法)哲学、社会学、政治思想史、歴史などの知識が、出題の鍵となっているようです。
たとえば、リベラリズムとリバタリアニズム。
小泉さんはリバタリアン、麻生さんはリベラルという風に言われることがありますが、これらの概念自体は、もう少し古く、20世紀に登場しています。
19世紀には、中間団体を否定して国家が人権保障を行う近代国家が確立(同時に個人主義も確立)しますが、その後、市場の失敗等を経て、福祉国家が求められるようになり、20cに入って大きな政府を肯定するリベラリズムが登場します。
その後、リベラリズムが一定の成熟を迎えると、今度は、規制緩和などが論じられるようになり、小さな政府が求められるようになります。これはリバタリアニズム(新自由主義と同義??)の考え方です。
国家と国民の関係(もう少しかみくだけば、政府の政策が国民に与える影響と言えるかな?)について考える上では、リベラリズムの立場に立つか、リバタリアニズムの立場に立つか、によって当然結論が異なってきます。ただ、これ以上はまだ勉強不足でうまく書けませんが・・・(こうやって自分で書いてみると、まだ知識を消化できてないことを確認できますね・・・)。
それから平等論。機会の平等、結果の平等、実質的な機会の平等など、平等論と一口に言ってもさまざまなものがあります。
例えば、女性差別はもちろんいけませんが、ではなぜ企業は、男性と女性を平等に採用しなくてはならないのか?女性は退職する確率が一般に高い、としたら、企業は長く働いてくれる男性を雇った方がメリットがあるのに、です。
それは、性別は自分では変えられないから!(=生来のものだから)、という答えが出てくるでしょう。
ただ、そうだとするなら、能力差についてはどうでしょうか?能力差も、ある程度は努力で変えられるかもしれないけれど、努力では超えられないものもあるのではないか?というのは可能な議論です。(誰でも努力すればプロ野球選手になれる訳ではありませんね。。。)
採用の場面でも、例えば、大学名で採用していると言われる会社はいまでも聞くことがあります。これは、大学名は一般に能力差の一つだとみられているからです。ただこれも、親の所得が高い場合に、その子供の所得も高くなっているとの結果を示した東大の佐藤調査によれば、能力差だって、生来のものと同視することもできるかもしれません。そして、そうだとするならば、大学名での採用もやはり許されないということになります。(ただ、これも、○○大学の学生には、優秀な人がいる確率が高い、といった理由になると、再び微妙ですが・・・)
このように、変えられるもの、変えられないもの、(生来のもの、そうでないもの)、によって許されない差別と許される区別を分ける二分法は、実は境界がそんなにはっきりしていないのだということが分かります。そしてこのように境界がグレーゾーンとなっていることが平等論をより難解にしているのだということが見えてきます。。。
さらには、自己決定論。他人を害しない限りにおいて自由、だと言ったのは、J.S.ミルです。が、人に迷惑をかけなければ、何でも自由が認められていいのか? 人に迷惑をかけてないから、麻薬をやってもいいのか? 自分の私有財産だから、国宝級の建物でも勝手に壊していいのか? もしこれらの自由が認められない、と言うのであれば、それはなぜか? どういう場合に自由は制限できるのか? 国家による自由の制限はどこまで許されるのか? 最近であれば、代理出産の問題、クローンの問題など、個人が望む場合に、何がどこまで許されるのか?その線引きを、きちんとした理論の上にのせて行うことは、生易しいことではないということが分かります。
といった具合で、時事問題は、19世紀以降に築き上げられてきた(本当はもう少し遡ってもいいのかもしれませんが)思想や理論という切り口から、より鋭く分析することが可能です。ただ、今の自分には、それを十分に行うことができるだけのインプットがないし、だからこそ辰巳の講座でも、先生が要領よくこれらの理論をインプットできるよう整理して提供してくれているのだと思います。辰巳の講座では、短期間で十分な知識を養えるよう良書を毎回紹介してくれているので、時間を見つけて、これらの本を消化していかないとと思っています(もちろん、単なる知識のインプットが目的じゃなくて、小論文の形で何らかのテーマに対するアウトプットができるようになることが目標ですょ
A^^;)。
Subscribe to:
Post Comments (Atom)
No comments:
Post a Comment